公務員の試験勉強はいつから始めるべきなのか
就職先として人気の「公務員」。合格・内定するには、法律や経済といった専門科目も含む筆記試験、論作文や面接試験など幅広く対策する必要があります。科目数も多く対策範囲も広いので、中長期の学習計画を立てることが重要です。今回の記事では公務員試験の制度や、対策方法などを紹介します。ぜひ、学習計画の参考にしてください。
実際の受験生によくある失敗とは
公務員の試験対策で失敗してしまう受験生もいます。よくある失敗例を紹介しますので、このような失敗をしないよう、学習計画の参考にしてください。
1次試験対策で十分だと思ってしまう
公務員試験の1次試験は筆記試験がほとんどです。科目数も範囲も広くしっかり対策する必要があります。(人によっては法律や経済など初めて取り組むような科目もあり。)ただ、公務員試験は2次試験もあり、メインは面接試験です。受験に失敗する人の特徴として、2次試験の面接対策が不十分でるということがあげられます。1次試験の結果が出た後にあわてて2次試験対策をはじめて、面接本番にうまく話せなかったという方も多くいます。
満点や高得点を目指す学習
公務員の試験は科目数も出題範囲も広いのが特徴です。失敗する人の特徴として「完璧主義」ということがあげられます。試験なので高得点を目指そうという意識が働いてどの科目も深く高得点を目指そうとする学習を行う方も見受けられます。自治体によっては1次試験合格後、得点がリセットされて2次試験の内容のみで評価するという形式をとっています。1次試験を突破できるレベルに達するための学習という学習対策を心がけ、その分、2次試験対策に力を割くことをおすすめです。
重要科目を後回しにして、出題頻度の低い科目に力を入れる
公務員試験の1次試験は科目数も多く、範囲も広いのが特徴です。ただ、その中でも出題数の多い科目や憲法のように他の科目と関連も高い重要な科目もあり、取り組む科目の優先度合いを明確にして取り組む必要があります。出題数の少ない科目や、他の科目と関連の低い科目に力を入れることは非常に効率がわるく、失敗する受験生は得意だという理由で出題数があまり多くない、日本史や世界史ばかり取り組むというパターンが見受けられます。
具体的な勉強スケジュールを作成しよう
公務員試験対策は約1年かけて取り組みます。長い時間をかけて複数の科目の学習をすすめないといけません。中長期的な学習スケジュールをしっかり立てることが重要です。
公務員試験日程の把握
公務員の試験は採用の前年の春ごろからスタートします。国家総合職試験、5月:都庁・特別区(23区)・裁判所・6月:国家専門職・国家一般職・地方上級(府県・政令指定都市)・6月以降市役所という流れで自治体・国家機関ごとに試験が実施されます。公務員の試験は併願も可能です。志望度合いの高い試験の日程を目標に学習計画を作成しましょう。
試験対策期間はおおよそ1年が目安
試験対策の期間としては1年程度が一般的です。試験実施の前年の春から始める方も多く、公務員予備校などの講座説明会や無料のガイダンスなど春のスタートに向けて、2月~3月に開催されます。出題数の多い科目やしっかりとした理解が必要な重要な科目から取り組みましょう。
週の学習計画を立てることがおすすめ
約1年間という長い学習期間なので、しっかりとした学習計画を作成しましょう。科目ごとにいつまでに参考書の内容を理解するか、問題集を解き終えるかなどの大体の目標を決め、それに向けて1週間単位で学習計画を策定するのがおすすめです。重要科目は網羅的に毎日少しずつ、偏りがないように取り組みましょう。
重視されつつある人物試験の対策はどう行うのか
公務員試験の2次試験は人物試験(=面接試験など)です。多くの自治体などでは2次試験の配点ウエイトが高く2次試験の出来が合否を大きく左右します。1次試験対策も大切ですが、2次試験対策も平行してじっくり取り組みましょう。
まずは自己分析をしっかり行う
まず、人物試験で取り組むべき対策は「自己分析」です。自分は何ができて、何をしたいのかを明確にする作業をじっくり行います。様々な自己分析ツールがあるので、自分にとって取り組みやすいものを選び、過去の経験の棚卸作業を進めましょう。一人で進めると行き詰まることもあるので、キャリアコンサルタントやハローワークなどの就業支援機関の専門スタッフなどのカウンセリングの受講もおすすめです。
志望先研究をじっくり行う
自己分析の次に重要なのが、志望先の研究です。公務員は業務内容が幅広く、かつ仕事の内容も多岐にわたります。実際、自治体や国家などの行政機関がどんなことをしているかをしっかり把握しないと志望動機も語れません。自分が公務員としてどんな仕事をしたいのかを明確にイメージできるまで志望先研究を取り組み続けましょう。
街歩きをしてみよう
自治体などの地方公務員を目指す方は、街歩きをしてみましょう。自分が行政の職員になったつもりで街の様子を見ると今まで気が付かなかったことも見えてきます。住民にとって危険な場所を発見できたり、子どもの多い時間帯、お年寄りが多い時間帯などを把握できたりと、その気づきを行政職員としてどう活かすかという視点で取り組みましょう。
面接カードを記入しよう
公務員試験の面接は、事前に「面接カード」の記入、提出を求められることがほとんどです。面接カードには、志望動機・いままで力をいれて取り組んできたこと・自己PR・採用されたら取り組みたいことなど、面接での質問項目のベースとなるものを記入します。事前に完成度の高いわかりやすい面接カードを書き上げることで、面接試験本番もスムーズに対応することが可能になります。
まとめ
公務員試験対策は科目数も多いですし、長丁場です。1次試験・2次試験とバランスよく効率よく対策を進めることが合格・内定への近道です。1次試験の各科目は出題頻度の高い科目、他の科目と関連性が強い科目を優先的に取り組みます。2次試験対策も早めに取り組み、自己分析・公務員研究をじっくり進めましょう。ぜひ、今回の記事で公務員試験対策の全体のイメージをつかんでください。